腸が第2の脳?知りたい!腸と脳の親密な関係
腸が第2の脳と呼ばれているのは人間が自分の意思で動かすことができず、その一切が自律神経によって支配されているためです。また人が誕生する際に真っ先に作られる器官であると言うのもその理由です。更にこれには脳と深い関係があり、それが脳が役割を果たすうえで欠かすことができない神経伝達物質の生成に役割を果たしていると言う内容です。
神経伝達物質は脳の神経細胞が情報をやり取りする際に必要になってくる物質で、この量が足りなかったり、その種類が偏ったりすると脳の働きには様々な影響が出てくる恐れがあります。そしてこの神経伝達物質の中には腸内で作られるものも多くあり、たとえば幸福感ややすらぎなどの感情に欠かすことができないセロトニンや、興奮や気分の高揚などに役割を果たしているドーパミンなどがその一例として挙げられます。
セロトニンの量が不足すると幸福感を覚えにくくなり、またストレスに過敏になりやすくなることから、うつになるリスクが高くなると指摘されており、またドーパミンに対しても同様で量が減少することでやる気の喪失、疲労感の蓄積などが出やすくなると言われています。そうしてこうした状態が続くと自律神経にも影響が出やすくなり、その結果、腸の働きが乱れてしまうことが考えられます。そうなるとますます神経伝達物質の量にも影響が出てきて脳の働きも低下しやすくなるため、両者は非常に深い関係で結ばれていると言えます。
正常な腸は私たちの味方!美肌も健康も手に入る
腸が左右しているのは脳の働きだけでなく全身の健康、美容に対してもその影響力は及んでおり、たとえば腸の働きが低下して便などの老廃物が蓄積されたような状態だとします。するとそれらが発している有毒なガスは血液に混ざって全身を巡ります。有毒ガスが混ざった血液が健康や美容に対して良いわけがなく、それにより美肌が損なわれてしまうことも大いに考えられます。
また腸内は全身の免疫機能の7割を担っている臓器で、その環境が乱れてしまうと言うことは、全身の免疫機能の7割が機能低下に陥ってしまうことにつながるとも考えられます。免疫機能は健康、美容を維持するためには欠かせない機能ですから、やはりこれを維持するためには腸内環境を整えることが必須だと考えられます。また脳との関係で言えば腸内の環境は認知症ともつながりが深いとも言われています。
神経伝達物質の量を左右することにより脳の機能も低下しやすくなると言うのが主な理由です。また血流にも影響をもたらすことから脳に対する血流も損なわれるリスクが高くなると言うのも、認知症との関係で指摘されている要因のひとつです。いくら体が元気でも脳が元気でなければ、活き活きとした生活を送るのは難しくなってしまいますから、全身の健康を維持するためにも腸内環境を意識することが重要です。